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【3359】ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.43「アルキメデスの大戦」(2019年) 事務局 田中忍
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 当委員会会長の田中忍が、ads.FMで三重県ゆかりの映画について話を
しています。コーナータイトルは「三重の映画に恋をして」、略して「みえこい」です。
第43回目は次のとおり12月27日(日)の放送です。本放送は、インターネット
でもお聴きいただくことができます。

 ads.FMホームページ http://www.catv-ads.jp/fm/

 ただし、私は電話出演のためインターネットでお聴きいただいた場合、声が聞き取れ
ません。ご了承ください。

放送日時:12月27日(日)午前11時20分から午前11時36分(予定)まで
放送局:コミュニティFM『ads.FM』
番組名:weekend mix
ナビゲーター:北山ヒロトさん
紹介映画:「アルキメデスの大戦」(山崎貴監督、2019年)
           数学で戦争を止めようとした天才数学者・櫂のお話です。
      櫂と山本五十六が出会う料亭のシーンが桑名にある「大黒屋」で撮影
      されました。
なお、放送内容は、放送後にこのページに掲載します。 
      
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投稿日 2020/12/23 (Wed) 21:50:22
更新日 2020/12/23 (Wed) 21:50:22
 

【3360】Re:ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.43「アルキメデスの大戦」(2019年) 事務局 田中忍
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放送内容

本作は、『戦時中の日本を守るために、国はどのような行動をとったのか』というテーマがあり、後半になると、お話が二転三転する奥深いものです。冒頭に、戦艦大和が攻撃を受け沈没する映像は、これまで「永遠の0」「寄生獣」などVFXを駆使し、私たちが見たことのない世界を描いた山崎監督ならではの迫力あるシーンが描かれます。

戦艦大和が沈没するのは1945年。映画は、少し時間を巻き戻し、1933年から描かれます。この時代、日本は戦争へ戦争へと向かっているという背景があります。そして、映画では、日本が世界最大の戦艦を建造しようと、重大な会議を開いている映像が流れます。舘ひろし扮する山本五十六は、「今後の海戦は航空機が主流」という自論を語り、巨大戦艦の建造がいかに国家予算の無駄遣いかと語ります。そこで、菅田将暉演じる数学者・櫂直が登場します。山本五十六は櫂に、巨大戦艦建造の見積もりが本当に正しいのか、確認してほしい。「もし巨大戦艦を建造すれば、その力を過信した日本は、必ず戦争を始める」と話し、戦艦建造に反対します。山本五十六は、この時、戦争への道を望まないという気持ちだったとのでは?と思わせますが、実は、巨大戦艦建造の見積もりが本当に正しいか、確認してほしいがため、平和主義者で軍人嫌いの櫂に言ったセリフに過ぎないことが後になってわかってきます。そして、この見積もりが正しいか否か、その金額の裏には、日本を守るための大きな考えが語られます。さらには櫂はある人物と出会い、櫂が学んだ戦艦建造に関することが話題になって・・・と。

少し話を急がせてしまい、皆さんを混乱させているかもしれませんが、山本五十六と櫂は、映画の冒頭、とある料亭で出会うという設定があります。菅田さんが巻き尺を持って、芸者さんの前で「僕は美しいものを見ると測らないと気が済まないたちなのだ」というセリフを話されています。この料亭は三重県桑名市多度町にある、鯉料理店「大黒屋」というところで撮影されました。

ところで、主演の菅田将暉は今回の役で、数学者になりきっていると感じました。「数字は嘘を言わない」と言いながら、計算によって、物事の真理を求めたいという気持ちと行動が、変人扱いされている時もあるのですが、数字の世界で物事の真理を証明するために、机や黒板に向かう姿は情熱的で、非常に凛々しさを感じさせます。そして櫂が見つけ出した関数を使った数式に、ある船の建造のために必要とされる金属類の量や単価等を当てはめ求めた費用が、実際の費用と見事に合っているというシーンには快感があります。櫂が、数式で答えを求めるために黒板に向かって数字を書いていくシーンはワンカットで描いていますので、演じた菅田さんは大変だったと思う反面、そのように描くことで、より数学者にみえるという演出だと感じました。この映画は、冒頭に戦争シーンがあるのですが、それ以降は、櫂が、数字によって戦艦建造の見積もりを解き明かすために奔走するというシーンが中心になります。戦争映画ではありますが、自分が情熱を傾けたものに対する男のロマンを描いていて、異色の戦争映画と言えます。

それから、櫂とコンビを組んだ田中少尉を柄本佑が演じていますが、非常にいい味を出しています。田中少尉は櫂より年上という設定で、櫂の行動を変人扱いしますが、戦艦建造の見積もりのために、何をすべきかという櫂の考えや行動にだんだんと尊敬の念を持ち、最大の協力者になっていきました。また、櫂と田中少尉は大阪に出かけ、戦艦建造の見積もりについて細かな指導を受けます。その指導をしたのが造船会社の社長で、笑福亭鶴瓶師匠が演じています。人情味があって適役でした。余談ですが、昭和の時代に製作された日本の戦争映画は、当時の日本映画の重鎮と言われる俳優たちがたくさん出演し、非常に重厚感がありました。しかし、最近の俳優はテレビに出て、いろいろな役を演じられています。この作品に出られている俳優もそうですが、重厚感というより親近感を感じさせるという点が、昭和とは違うところです。

山崎監督の名を有名にしたのは、「ALWAYS三丁目の夕日」シリーズです。人情的な内容でたくさんの人に共感を呼び、昭和の街並みをCGで再現していました。そして、山崎監督の「永遠の0」や「寄生獣」は三重県ゆかりの作品でもあります。「永遠の0」は、三重県内でロケはないのですが、戦争体験を語る登場人物が桑名市出身という設定なので、登場人物のお家に置く飾り物として、「桑名の千羽鶴」や桑名市の石取祭に登場する祭車の模型の貸し出しなど、桑名フィルムコミッションが美術協力をしています。「寄生獣」は四日市や鈴鹿でロケがあり、染谷将太や橋本愛が三重に来ていました。

ロケされた桑名市多度町の鯉料理大黒屋さんですが、ネットで拝見すると老舗旅館のたたずまいです。江戸時代、近くにある多度大社の参拝者のための旅籠として創業され後に旅館、今は鯉料理屋として営業をされています。創業から280年余り経たれているとのことです。「アルキメデスの大戦」は桑名フィルムコミッションが支援した作品です。桑名フィルムコミッションの担当の方が、山崎監督をこの料亭にお連れした際、「興奮するほどイメージにピッタリだ」と言われ、大黒屋での撮影が決定しました。撮影は映画公開の一年前の7月半ばの夜中の暑い時期です。でも、この映画での時代にはクーラーがありませんから、部屋にあるエアコンは取り外されました。撮影の本番が終ると役者さんたちは氷のうで体を冷やしたり、少し開けた障子の隙間から送風機で風を送ったりされました。また、庭に近い廊下のシーンもあったので、虫が寄ってこないように工夫するなど、映画スタッフは暑さ対策と虫対策を懸命にされていたとのことです。映画を見ると、まったく暑さとか虫とかが映っていない、感じさせないので、さすがだなと思います。

桑名フィルムコミッションの方に聞いて私が感心したのは、大黒屋のご主人さんのお料理の腕前です。料亭で出てくる昭和8年当時のお料理を作ってもらいました。私たちは映画を見ていると、登場人物に集中してしまい、どのような料理があったのだろうと気にならない方が多いと思います。でも、映画スタッフは、時代にこだわっており、昭和初期の5月頃を想定した会席料理や豪華な鯛の尾頭付きなどを準備してほしいと要望がありまして、大黒屋のご主人は仕事終わりやお休みの日に、20品ほど試作を重ねられ、料亭のシーンに登場しました。映画で料理が映されていますので、短いシーンですが、アップで映った時に注意して観てください。山本五十六たち3人の場面で映ります。撮影の際は、別の角度から同じシーンを数回撮りますので、食べた分は、補充したり器ごと差し替えたりするため、大黒屋のご主人は2晩徹夜で、何人分もの料理を作り準備され、無事お役目を果たされました。また、桑名フィルムコミッションの方も、白米でなく、茶色っぽい3分づきのご飯を炊いて持参し協力されました。このご飯は、菅田さんの、鯛のお頭つき膳に置かれましたが、ほぼ映っていません。このように準備していても映るか映らないかわからない。というのが映画製作の現場です。でも、このようなエピソードを聞くと、時代にこだわった撮影に脱帽します。

後は、細かなエピソードですが、料亭の廊下に電灯が下がっています。装飾スタッフの粋な計らいで、映画に映り込む場所の3か所に「大黒屋」と書かれた照明に交換してもらったり、大黒屋の玄関の上り口でお客様を迎えている「大黒様」の置物が、装飾スタッフの計らいで、舘ひろしが座る部屋の床の間に置かれ、「大黒様」との共演が実現したのです。もうひとつ、大黒屋さんは木が多く、夏の撮影なので蝉が盛んに鳴きます。蝉がよく鳴くと音声に影響があるので長い棒で枝をツンツンして、蝉を静かにさせるスタッフもみえました。映画を作るには、大きなこと小さなことを積み重ねているということが改めてわかります。

話は変わりますが、菅田将暉は2013年桑名で撮影した映画「チョコリエッタ」に主演されています。その映画の中で桑名の名物「アイス饅頭」を食べるシーンがありました。今回、菅田さんが大黒屋で撮影されることを、「アイス饅頭」で有名な和菓子屋の寿恵広がご存知になり、真夏の撮影に「アイス饅頭」の差し入れがありました。菅田さんは、カッチカチの冷たいアイス饅頭を覚えており、懐かしそうにかじっていたとのことです。

*本日、音楽の紹介はありません。また、時間の関係でお話しできなかった内容も上記に含まれています。

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投稿日 2020/12/27 (Sun) 12:13:29
更新日 2020/12/27 (Sun) 12:15:03
 


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