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【3361】ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.44「引っ越し大名!」(2019年) 事務局 田中忍
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当委員会会長の田中忍が、ads.FMで三重県ゆかりの映画について話をしています。
コーナータイトルは「三重の映画に恋をして」、略して「みえこい」です。
第44回目は次のとおり1月24日(日、本日)の放送です。本放送は、インターネット
でもお聴きいただくことができます。 
ads.FMホームページ http://www.catv-ads.jp/fm/ 
ただし、私は電話出演のためインターネットでお聴きいただいた場合、声が聞き取れません。ご了承ください。

放送日時:1月24日(日)午前11時20分から午前11時36分(予定)まで
放送局:コミュニティFM『ads.FM』
番組名:weekend mix
ナビゲーター:北山ヒロトさん
紹介映画:「引っ越し大名!」」(犬童一心監督、2019年)
        国替えを命じられた、ある藩の悲喜こもごもを描いたエンタメ時代劇です。
       引っ越しの陣頭指揮を執るのは、引きこもりだった侍(星野源)! 
       ラストの感動的なシーンが、伊賀上野城での撮影です。
なお、放送内容は、放送後にこのページに掲載します。
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投稿日 2021/1/24 (Sun) 10:07:19
更新日 2021/1/24 (Sun) 10:12:31
 

【3362】Re:ads.FM「三重の映画に恋をして」〜VOL.44「引っ越し大名!」(2019年) 事務局 田中忍
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放送内容:

本作は「超高速!参勤交代」の脚本を手掛けた土橋章宏が脚本を担当し、期待通り「引っ越し大名!」も上質なエンタメ時代劇な内容に仕上がりました。

あるとき、藩主の松平直矩は、幕府に兵庫県の姫路から大分県の日田への国替えを言い渡されます。国替えというのは、全ての藩士とその家族全員で移動するという、桁はずれの労力とお金がかかる大変なプロジェクトで、いわゆる大がかりな引っ越しなのです。国替えをさせるというのは、江戸幕府が支配体制を固めるために実施したことなのです。国替えを命じられるのは外様大名で、親藩や譜代など幕府に近しい大名は要地に配置されました。外様大名の中には、何代にもわたり領地を支配し、領民との結びつきが強い者もいましたので、その結びつきを断ち、大名の力を弱めることが目的の1つだったわけです。また、引っ越しのために荷物を運ぶ、いわゆる‟引っ越し屋さん“をたくさん雇わなければならなかったので、お金もかかり、藩の財政を苦しめ大きな借金をせざるを得なくなりました。

松平直矩は、実在の人物です。ネットの情報によりますと、諸説あると断りがされていますが、直矩が2歳の時、山形県の出羽山形藩に、そして7歳の時に、姫路藩に国替えを命じられ、姫路に赴く途中、父親が他界し、直矩は幼少で家督を相続します。しかし7歳の子どもに、幕府にとって重要な姫路を任すことは不適当と言われ、今の新潟県に当たる越後村上藩に国替えとなります。成人後、再び姫路に国替えとなりますが、親族のお家騒動に巻き込まれ、大分県の日田藩に国替えとなります。その際、お家騒動の不手際をとがめられ、領地を半分以下に減らされます。その後、再び山形県の出羽山形藩、さらに福島県の陸奥白河藩に国替えを命じられ、領地も元の15万石になりましたが、生涯で通算7度も国替えを行ったため、藩は多大な借財を負うことになり、直矩は「引っ越し大名」とあだ名をつけられたとのことです。

引っ越し大名を演じるのは及川光博ですが、実際この引っ越しの指揮をするのが、星野源演じる片桐春之介。片桐は、この大役につくまで、書庫にこもりっきりで人と話すのが苦手な引きこもり侍でした。「かたつむり」というあだ名をつけられていました。彼が、この役を仰せつかる時のドタバタシーンは笑ってしまいます。嫌がる片桐を無理やり引っ張り出し、命令に背くなら「切腹だ」という命ギリギリの場面まであり、泣きながら仕方なく引き受けるあたり、そして彼の母親が「我が息子、よくぞ、この大役を引き受けた」と出世のお祝い会を開き、片桐は、不安とプレッシャーでいっぱいになるという展開です。片桐がオタオタとするあたり、星野さんはうまく演じていて、「この侍に、このような大きなプロジェクトを任せていいのだろうか」と思わせます。でも、幼馴染で武芸の達人・鷹村源右衛門(高橋一生)や借金ができるところを探してくれる中西監物(濱田岳)らが引っ越しに協力をしてくれます。紅一点、前任の引っ越し奉行の娘である於蘭を高畑充希が演じられています。高畑さんはいい役をもらいました。引っ越し奉行であった父の偉業を幕府が認めなかったことの不満を持ちながらも、片桐の役に立とうと懸命になる姿が、非常に愛おしく感じられました。映画でも於蘭は「女性が持つものを武器にして、引っ越しがうまくいくよう、協力する」というようなセリフを、秘かに好きな男性の前で言います。それは、「仕事だからであって、自分の本意ではない」という意味で、心の中では「好きなのはあなたです」という彼女の気持ちに聞こえます。

ところで、引っ越しをするのに重要な部分を映像としてうまく描いているなと思ったところがあります。まずは、「引っ越し唄」という歌を皆で歌い踊りましょうというくだりです。一つの歌を皆で歌い踊ることで、心がひとつになり、心が豊かになる。苦しい時こそ、この歌を皆で歌い、ともに頑張ろうという音楽の力を感じさせます。この歌は、「引っ越し大名!」を製作した委員会の一社で配給も担当している、映画会社・松竹株式会社のYOUTUBE「松竹チャンネル」にアップされていますので、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=aJGVHJGlEz8&list=UL0niAa2jksd4&index=628

もう一点は、引っ越しのために、家財道具や骨とう品・書物だけでなく、藩内の人も減らさねばならない。つまりリストラを行うという部分です。「一緒に引っ越し先に連れていけない。この地に残ってくれ」と宣告をするシーンが出てきます。映画では、宣告された武士たちが、あまりの辛さに自害や錯乱状態になるかもしれないという緊張感が漂います。しかしラストでは、リストラされた武士たちが再開するシーンがあります。詳しくは映画で見ていただきたいのですが、そのシーンが伊賀上野城で撮影されました。

撮影時のエピソードを伊賀フィルムコミッション、NAVIGAの方にお聞きしました。撮影は映画公開の前年2018年の6月とのことです。梅雨の時期で前日まで雨が続いて、外での撮影ができるかと心配をされていましたが、撮影日は朝からいいお天気になりました。伊賀上野城での撮影は一日だけでしたが、美術さんは、門構えとか石碑とか大道具の準備に撮影前から撮影場所に来られていたとのことです。このお城がロケ地に選ばれる理由は、「大きすぎず、小さすぎず、また伊賀上野城を映しても、すぐに伊賀上野城とはわかりにくいのがいい」とのことです。例えば、姫路城とか熊本城を撮影すると、お城ファンの方々には、「これは、姫路城だとか熊本城だ」とかわかりますよね。でも、伊賀上野城はパッと見ただけでは伊賀上野城だとわかりにくい。悪く言えば、世間的にその姿がよく知られていないという事なのです。でも伊賀上野城は白鳳城と呼ばれるほど城の姿は美しいし、周辺には高い石垣が詰まれているなど、どこかの藩のどこかのお城として撮影するには最適なのです。

それから、伊賀市は京都の撮影所から遠くありませんから、京都で仕度をして、朝、京都を出る。日中、伊賀で撮影して、その日に京都へ戻ることができます。NAVIGAさんは撮影に慣れてみえますから、伊賀での撮影もスムーズに運びます。今回もエキストラの着替えは、公園内の部屋を借りたり、撮影時には、観光場所となっている伊賀上野城のぼんぼりを撮影中のみ外してもらったり、近くの高校のチャイムが鳴る時間をスタッフに知らせ、現代ものが映りこまない、音が入らないように段取りをされましたと。もう少し言いますと、観光客が通らないようにできる場所が伊賀上野城にはありますので、そこで撮影すれば観光客の通行で撮影を中断する必要がなくなります。

「引っ越し大名!」の撮影時は、主演の星野源、高橋一生、及川光博、濱田岳らが来ていて、ネット上で「伊賀上野城で星野源が撮影している!」と話題になったのです。そして高校生らがどっと駆けつけましたが、「どこで撮影しているのだろう」と撮影場所までたどり着けず、しばらくすると諦めて帰っていったとNAVIGAさんに聞きました。これからも「どこかの藩のどこかお城」として撮影に使って欲しいですし、「伊賀市にある伊賀上野城」を紹介する映画のロケ地にもなって欲しいです。

実は、この「引っ越し大名!」、ロケ地の伊賀市で上映がされていません。というのは、伊賀・名張地域で唯一の映画館であったジストシネマ伊賀上野が2018年2月に閉館しているからです。ジストシネマ伊賀上野では、NAVIGAさんの協力で、伊賀市出身の呉美保監督の新作が完成するたびに、監督の舞台挨拶と共に上映されていましたし、伊賀市でロケされた「アナザー」の上映時は、山崎賢人が舞台あいさつに来ていました。同じく伊賀市でロケされた「娚の一生」の上映の時は、映画館のロビーに、映画に出演したトヨエツが映画の中で使っていたメガネや下駄、また小道具として使った手紙、染め物、そして撮影時の風景のパネルを展示し上映を盛り上げていたのです。本作のエキストラは、単なる通行人ではなく、皆で泣いたり、笑ったりとちょっとした演技もしてもらい、楽しんでやってもらったとのことですので、是非、伊賀市での上映ができることを期待します。

監督の犬童一心は、「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「のぼうの城」の名作を撮っています。そして、先ごろ活動を休止した嵐が主演の「黄色い涙」を監督し、一部のシーンは津市で撮影されました。2007年の公開作品ですので15年近く前ですね。松潤以外の嵐のメンバー4名が津市に来られていました。この映画の内容は、昭和38年の晩春。漫画家、歌手、画家、小説家の卵、そして堅実に米屋で働く5人の若者が夢を語り、貧しいながらも生活していくというお話です。津市での撮影現場は津市江戸橋でした。私、エキストラ集めと現場でのお手伝いをしていましたが、撮影しているとみるみるうちにファンが集まって、ギャラリーの整理に大変でした。一緒に撮影現場の整理をしてもらった津市の職員さんは、道路の使用許可や自治会さんへの挨拶に事前に話を通してくれていましたが、道路渋滞や結局300名ほどのギャラリーが集まり、周囲の住民の方が自由に動けないという意見が出て、撮影が終わるや否や、警察や自治会に謝りに行ってもらいました。

で、この映画の音楽はSAKEROCKというバンドが担当していましてね、そのメンバーに星野源がいるのです。

私ども三重映画フェスティバル実行委員会は撮影応援をいろいろとしてきましたが、この「黄色い涙」が初めて撮影現場のお手伝いをした映画だったのです。だから、映画の終わりにスタッフやキャストの名前が出る、クレジットのひとつに、私たちの名前も掲載していただいて、それを見た時は「やった!」という気分になりました。

*本日、音楽の紹介はありません。また、時間の関係でお話しできなかった内容も上記に含まれています。

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投稿日 2021/1/24 (Sun) 21:06:40
更新日 2021/1/24 (Sun) 21:06:40
 


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